今回は望月花梨さんオススメ作品3作をご紹介したいと思います。
望月さんの漫画の空気感大好きなんです。
それではどうぞ~。
スイッチ
あらすじ
主人公-名倉絅(ケイ)は中学3年生。
親友の梢は担任の広田先生に夢中になっているが、絅は昔から先生に好かれたことがないため彼のことが苦手。
しかし、梢が広田先生にケガを負わせてしまう。
そのことがきっかけで絅の広田先生への見方が変わってゆく-
感想
絅は先生たちの前では普段の自分を出すことができないタイプ。
梢は誰にでも人懐っこい感じ。
でも、広田先生はちゃんと見ていてくれて小さなことに気が付きます。
絅が段々懐いていくのがすごく可愛くていじらしい。
頭わしゃわしゃしたくなる。
先生と生徒の恋愛の話ですが、話自体は、本当にありそうだなーって感じの場面が続き、大きな出来事が起こっていく訳ではないです。
だからこそ、気持ちの動きがすーっと入ってくるのかもしれません。
季節に絡めた描写が好きです。
夏の匂いや冬のシンとした感じが、その場にいないのに伝わってきます。
中高生の頃の日常の空気感を思い出させてくれるようです。
作品データ
望月花梨『スイッチ』全2巻 白泉社 花とゆめコミックス
笑えない理由
あらすじ
伏屋かな子は笑うことができない。
小さい頃に、近所の男の子瑛士に言われた言葉が原因。
「笑った顔が不細工」
その言葉がトラウマとなり、ずっと悩んでいる。
ある日、転校したはずの瑛士が学校に戻ってきてしまう。
かな子は一体どうなってしまうのか-
感想
小中学生あるあるの好きな子をいじめてしまうことがきっかけになった話。
かな子と瑛士の関係が甘酸っぱくて読んでいるこちらがムズムズします。
些細なことでこじれてしまう感じとか、嫉妬してしまう感じとか、リアルな表現で胸がギューっとなってしまいます…。
2人だけでなく、周りの登場人物も魅力的。
作品データ
望月花梨『笑えない理由』全4巻 白泉社 花とゆめコミックス
鍵―かぎ―
『鍵―かぎ―』、『アルカロイド』、『呼吸』、『夜 夜中』、『犬と夏服』が入った短編集。
1話完結で、あとがきに書き下ろしの続編があります。
特に、表題作の『鍵-かぎ-』と『アルカロイド』と『犬と夏服』が好きです。
今回はその3つのあらすじを。
『鍵―かぎ―』
服部は中学の新入生歓迎会を体調不良で途中退場してしまった。
それに付き添ってくれた同性の亀田に恋愛感情を持つように。
しかし、親友関係は壊したくないため、気持ちに鍵をかけていた。
その後、亀田に好きな人ができてしまうが…
『アルカロイド』
七実(なみ)は幼馴染の順に初めて作った手料理を「まずい」と言われてしまった。
それ以来、また「まずい」と言われるのを恐れて料理を出したことがない。
家庭科の授業で大森と同じ班になる。
彼女も順に好意を持っており、やけに突っかかってくる。
それにカチンときてしまった七実は―
『犬と夏服』
三橋が体育倉庫で読書をしていると、韮崎は自分に気づかず、着替えて出ていった。
そして、脱いだ韮崎の制服を三橋は盗んでしまう―
感想
先生の作品は黒でもあり、白でもある。グレーでもある。
混じり気がなさそうなのに、ドロドロ。
思春期ってそうかもしれない。
キラキラして見えるのに歪んでる。
普通なら陰か陽かのどちらかに偏ってしまいそうなのに、何故こんなにごちゃ混ぜで描けるのかが不思議でしょうがない。
各話で思い出す情景は違うけれど、ヒリヒリする。叫びだしたくなる。
こんなにも心をかき乱されるのに、定期的に読み返したくなるのです。
そうなるってわかってるのにも関わらず。
あと、望月先生は小物使いがうますぎる。
特に、『鍵―かぎ―』には唸ってしまいました。
作品データ
望月花梨『鍵―かぎ―』全1巻 白泉社 花とゆめコミックス
さいごに
以上、3作ご紹介しました。
でも、また多分追加で書いてしまうかも。
ぜひぜひ読んでみて下さいね~。
ではでは。