今回は『長閑の庭』5巻について書いていきたいと思います。
元子と榊教授の距離が縮まっていき、樹里ちゃんが田中さんに…!
でも、田中さん明らか元気ないし、自分で傷口に塩塗りこんでるし…な第5巻。
今回も主に田中さんーな感じで書いていきたいとおもいます。
全体の感想は最後にああだこうだ書いていくつもりです。
それでは、いってみましょう~。
4巻についてはこちらから↓


長閑の庭 5巻 アキヤマ香【ネタバレ感想】“努力”すれば幸せになれる?
樹里ちゃん田中さんに再告白
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樹里ちゃん、田中さんをカフェに呼び出し再告白。
夏合宿での告白ではぐらかされてから、前以上に好きになってしまい困っていた樹里ちゃん。
好きな人がいなければ、お試しで付き合ってみてほしいと言います。
田中さんは元子のことが頭に浮かびますが、
【田中さん】
好きな人はいないよ
でも、大学にばれたらヤバくない?と返事をすると、強気の樹里ちゃん押しまくります。
あっけにとられる田中さん。
少し考え…
聞こえないような声で
【田中さん】
試しに…か
俺も誰かさんに似たようなこと言ってったけなあ…
その後、田中さん、告白を受け入れます。
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田中さん、告白は受け入れたものの、どこかぼんやりしていてなんとも不安な感じです。
田中さん側からすると、絶対元子も榊教授も目にする訳だし、樹里ちゃん経由でも話題が出るだろうし…。環境的に辛いもんがあるなー…。
樹里ちゃん側を思うとおめでとう!なんだけど、うーん田中さん目がうつろなんですよね…。まだ無理なんでないだろうか。
3巻なんて少年のように楽しそうだったのに…。
傷口に自分で塩を塗りこむ田中さん
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研究室で仕事をする元子、榊教授、田中さん。
週末、榊教授の家で仕事をする予定だったようですが、行けなくなった田中さん。
榊教授を茶化して、元子には榊教授にお願いするようにつつきます。
結果、元子は榊教授の家で仕事のお手伝いをすることに。
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自分で自分を追い込んでるような田中さん。
榊教授もちょっと田中さんのようすに気が付いているようでした。
元子は応援してくれたのかな…?と思っていたようでしたが…元子だって諦めきれないように、田中さんもそんな簡単に切り替えられるもんじゃないよ…。
カラ元気だよね…。
樹里ちゃんと付き合っているけれど内心は…
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食堂でご飯を食べる田中さん。
友人とは楽しそうに話していましたが、1人になってため息。
そこに樹里ちゃんが。
表面上は助手と学生なので、メッセージアプリで会話。
樹里ちゃんの態度がわかりやすくて心配になった田中さんは、他にバラしていないか尋ねます。
はじめは言ってないと嘘をつきますが、シュバちゃんには…と白状。
田中さん、反応はどうだったとたずねますが喜んでくれたということを聞き、ちょっと落ち込んでいるよう。
それは樹里ちゃんにも伝わっていて―
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週末、樹里ちゃんの家に田中さん。
ご飯を食べて帰ろうとすると、泊まっていってと樹里ちゃん。
明日仕事があると言うものの、少し考え―頭の中に浮かぶのは…
結局一晩過ごしましたが、帰り道も目がうつろな感じです。
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元子に言ったことがわかったときのボーゼンとした表情が辛い。
樹里ちゃんのことを好きになろうとしているんだろうなってことは伝わるのですが元子のことがチラついていて…。
無理矢理 好きになろうとするっていうのも難しいよなあと。なろうとしてできるものではないし。こればっかりは。
「シュバルツさんを受け入れてください」
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週明けの研究室。
田中さんが週末の手伝いのようすを聞くと、真っ赤になる元子。
その様子をからかう田中さん。
元子は約束の時間が来て退室。残った2人。
仕事が多いとボヤく榊教授に、また手伝ってもらえばいいじゃないですかと嫌味を言う田中さん。
そもそも薦めたのは君だという榊教授に、今の彼女にちゃんと答えたいと―
【田中さん】
答えたいから だから 教授―――
俺を楽にしてください
シュバルツさんの気持ちを 受け入れてあげてください
電話が鳴り、用事ができた榊教授。
一度は出て行こうとしますが、3分だけ話をすると―
【榊教授】
「受け入れろ」
――そう言われてすぐ承諾する 僕だと思うかね?
思わないけれど、丸く収まると田中さん。
歪な関係は自分も相手も傷つける、「受け入れる」ことは自己満足で皆を利用していると言う榊教授。
田中さんは利用していることは自覚しているけれど、
【田中さん】
教授がシュバルツさんを受け入れることは“無理矢理”ですか?
と言い…
榊教授ははっきりとは答えませんでしたが、
【榊教授】
――だが君のそういう臆さないところが好きだ
実は情熱的なところも
と部屋を出ていきます。
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田中さん引きずりまくり。「俺を楽にしてください」の顔が痛々しい…。
榊教授が受け入れたら、少しはすっきりするのかもしれないけれど、しんどいことには変わりないよなあ。
でも、やっぱりこの2人の関係はいいなって榊教授が出ていくときの言葉を見て思いました。
頑張っても報われないとき
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田中さんの家で樹里ちゃんと2人でまったり。
樹里ちゃんの同級生が仕事を辞めてしまったという話の中で―
【田中さん】
頑張っても どうしても報われないときってあるよね
とぽつり。
話は、樹里ちゃんの留学の話に。
田中さんがいるから今はやめようかなという樹里ちゃんに、ちょっと重いなと―
付き合っているからと留学しないのは樹里ちゃんのためにも良くないし、自分も苦しいという田中さん。
行けるときは行ったほうがいいよと言われた樹里ちゃん、正しいとはわかるけれど…
【田中さん】
頑張っても どうしても報われないときってあるよね
はどういう意味だったのだろうと、田中さんがどう思っているのかモヤモヤ。
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はじめの方で、樹里ちゃんが元子に田中さんのことを報告したとき、話の中で「自信がなければ努力するだけ」っていう言葉が出てきて。
その下に榊教授と田中さんが描かれていて…なんとも締め付けられてしまいました。
からの、頑張っても報われない…田中さんはやっぱり元子のことでいっぱいなんだろうなあと。
田中さんも好きになろうとはしているけれど、このままだと溝が深まっていってしまいそうに思います。
さいごに
田中さんサイドを見ていると、もやもやしてしまいますが、元子と榊教授は距離が縮まったように感じました。
榊教授の看病をしたり、お家で仕事を手伝ったりだとか。榊教授がだいぶ心を開いてきているように見えます。
元子良かったね!と思いますが、半面、全てうまくいく訳ではないなあと思ってしまって。
自分1人で済むことなら、頑張ったらうまくいくかもしれないけれど、人の気持ちや関係は頑張っても難しい。
無理矢理 好きになろうとしても、頭でどうこう出来る訳じゃないし。
樹里ちゃんとの関係も今のままだとうまくいかなくなりそうだなあと感じてしまう。
田中さん…うだうだしててほしいと4巻の感想で書いたのですが、ちょっと見ていて辛い。やっぱり幸せにしてあげてほしい…。
6巻についてはこちらから↓


今回はこの辺で。ではでは。
アキヤマ香『長閑の庭』5巻 講談社 KC KISS より