今回は『長閑の庭』2巻の感想を書いていきたいと思います。
1巻の感想を書いたときから薄々感じていたのですが、やっぱり田中さんがツボってしまっているようで…出てくるとにやにやしてしまいます。
1巻についてはこちら


2巻の表紙です。後ろに田中さんが。
元子と榊教授の話よりも、主に田中さん絡みの感想になるかとおもいます。笑
それでは、いってみましょう~。
長閑の庭 2巻 アキヤマ香【ネタバレ感想】一面だけで人を判断してはいけない
2巻あらすじ
学部生合宿で海へ
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学部生合宿で2泊3日で海へ。
朝霧教授と乗り気でない榊教授に、お手伝いに院生の元子と樹里ちゃんも参加。そして田中さん。
せっかくの合宿でも、榊教授、朝霧教授のことや、樹里のことも気にしてずっともやもやしている元子。
榊教授が1人で釣りをしているのを見つけます。
話の中で嫉妬する気持ちをどうやって無くしたらよいかを尋ねると、
【榊教授】
嫉妬などなくせはしない
と榊教授は言いました。
続く言葉も元子の気持ちを軽くしてくれたようで、笑顔が戻ってきます。
しかし、元子は気が緩んだのか立ちくらみを起こして…波に足を取られてしまいます。
そこで助けに入ったのが田中さんでした。
元子は気を失ってしまいました。
目が覚めて、足を滑らせたときのことを思い出すと体が震えてしまいます。
見かねた田中さんが抱きかかえて部屋へ。
わたわたする元子でしたが、
【田中さん】
俺にこんなことされるの嫌かもしれないけど
こんなときは甘えてよ
元子は意外な言葉にちょっとびっくりした様子でしたが…その後の口の悪さは平常運転…。笑
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元子が波に足を取られた瞬間1番に動いたのが田中さんだったんですよ~。
しかも、お姫様抱っこ…!
口は悪いけど、なんだかんだで田中さん優しい。笑
あと、榊教授の言葉ですね。
「嫉妬などなくせはしない」
元子だけじゃなくて、私もなんだか沁みました…!
元子の言うように、あ~そのままでも大丈夫なんだなあって。
誰にでもあることって思ったらちょっと楽になりますね。
榊教授子どもっぽいところもあるけれど、決めるところは決めてくる~。
ああいう女
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元子が休んでいる間に、樹里ちゃんが田中さんに告白!
元子が樹里ちゃんと距離があるとなんとなく感じていたのはこの為だったようです。
樹里ちゃんは元子に対して嫉妬していることを田中さんに言います。
田中さんは元子にはむしろ嫌われているしと、いつもの軽い感じで返事を。
1人になった田中さん。
思い返すのは元子のことで――
田中さんにとって、元子は黒くて真面目で面倒くさそうな印象でした。
ある日の飲み会で、田中さんが元子に話しかけるのですが、あまり話も弾まず即撤収。笑
その後、榊教授と2人で話している元子を発見。
自分のときとは全然違う態度なのをを見て苛立ちます。
別の日、田中さんが図書館に行くと、たまたま図書当番が元子でした。
絶対に元子には頼まないぞと思っていたのですが、思いのほか作業が進まない田中さん。
腹をくくり、元子に手伝いを頼むことに。
そして、夜になってやっと探していた本が見つかり、笑顔になる元子を見て――
【田中さん】
ずるいよなぁ…あんだけハードル下げた後に
あの笑顔は無ぇよ…
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あんまり笑わない人の笑顔ってぐっとくる…。
はじめの印象が悪い分、破壊力がすさまじい…わかるよ田中さん。
図書館での、手伝ってもらいたいけど、プライドが許さない田中さんの顔が可愛いのでぜひ見てください。
色々うまくやっていそうなのに、心の中はガチャガチャしている田中さんが好きです。笑
一面だけを見てその人間を決めつけてはいけない
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体調も戻り、榊教授にお礼を言いに行く元子。
しかし、榊教授から「助けたのは田中くん」だと。
元子は自分を嫌っているはずの田中さんがそんなこと…と驚きますが、榊教授は、
【榊教授】
一面だけを見てその人間を決めつけてはいけない
と諭され、田中さんにお礼を言いにいきます。
突然のことに田中さんはびっくり。
でも、結局ちょっとお互いいがみ合いみたいな感じに。笑
最後は、田中さんが残しておいてくれた花火を2人でやり、元子は榊教授の言葉を反芻。
田中さんの別の面を見れた気がした元子なのでした。
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榊教授の言葉はなんというか沁みますね…!この言葉のおかげで、田中さんのことも考えるきっかけになったと思うし。
榊教授みたいな方が実際にいればいいのにー…って思ってしまいます。
外の世界
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合宿後のある日
【田中さん】
あ そうだ教授ー
次の抗議 俺居なくて平気ですか?【榊教授】
女学生は残念がるだろうが抗議は全く問題ない【田中さん】
嬉しいような悲しいようなコメントあざーすっ
田中さんが講義に出ないと知り、たまたま研究室にいた元子がお手伝いを申し出ます。
コピーが必要だからと、田中さんとコピー室に行く元子。
元子は、
「田中さん 人間って面白いですね」
と話しかけます。
今まで一面しか見ていなかったけれど、少し世界が広がった。でも、今も傷つくのが怖いと。
田中さんは、そんなのわからないし、
きっと外の世界は危険もあるけど 楽しいことの方が多いはずだよ?
と。
榊教授のことをもっと知りたいと思う元子。家に行ったときに榊教授の別の一面を知れたことを思い出すのですが――
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榊教授と田中さんのちょっとした会話が仲良さげでいいですね。笑
こういうのもっと見たいです。
あと、自分と榊教授が話していたせいで、元子がお手伝いをすることになったのにちょっとイラっとしてる田中さんが可愛い。
立ち止まることもあるけれど、ちょっとずつ元子が世界を広げていこうとしている姿がいいなあと思うのですが…
うーん、次巻も色々ありそうな感じですねえ。
さいごに
元子も、榊教授も、田中さんもそうだし、みんな人は1つの顔しか持っているわけじゃないよってことに焦点をあてた巻だったなあと思いました。
田中さんだったら、元子が榊教授好きじゃなかったらもっと態度違ったかもなあとか。
あんまり感想書いてないけど、樹里ちゃんの立場に立ったら「シュバちゃんちくしょう」とか思ってもしょうがないよなあとか。笑
俯瞰で見られる立場だから楽しいけど、渦中の人はわかんないよな。全部見えるわけじゃないから。
みんな嫉妬したり、人に見せたらかっこ悪いところもあるんだけど…真剣にじたばたしているからでしょうか。人間くさくていいなあ~と。
みんな好きです。田中さんがやっぱり1番好きだけど。
次巻もどうなるのか楽しみです!
あと、おまけページに榊教授と田中さんについてでした。キャラクター設定って楽しくって好き。
田中さんの名前が発覚…!しかし、雑な扱い…。笑
そちらもぜひ見てみてください~。
3巻についてはこちらから↓


今回はこの辺で。ではでは。
アキヤマ香『長閑の庭』2巻 講談社 KC KISS より